機構長のご挨拶

 

 私は、2014年11月から、山根義久初代機構長を引き継ぎ、2代目の機構長を引き受けました。この分野について不勉強の部分が多々あり、皆様のご支援を頂きながら本機構の運営を進めていきたいと思っております。

 

 本機構はまだ設立3年にも満たない組織です。しかし、日本の動物看護師の将来を考えると、その役割は極めて重大であり、身を引き締めて機構長の任を果たさなければならないと考えています。


 戦後、日本の獣医学は主に畜産振興に貢献すべく教育されてきました。しかし、経済の発展に伴い、犬、猫といったペットを飼育する家庭が増加し、さらにペットは家族の重要な一員として認識されるようになりました。同時に、これら小動物に関わる獣医学も急速に進展し、高度な獣医療に対する飼い主からの要求も広がってきています。このような臨床現場では、昔のように1人の獣医師が全ての臨床活動を行うことは不可能です。飼い主から真に信頼される獣医療を行うためには、獣医師だけでなく、それをサポートする動物看護師等のスタッフが必須です。また、動物看護師自体にも多くの獣医学的知識、あるいは動物の健康維持に必要な生物学的な知識、技術が要求されるようになっています。さらには動物病院の運営や飼い主とのコミュニケーションに関するノウハウも要求されます。

 

 従来、日本の動物看護師は様々な団体等が認定する専門学校等で教育され、認定されておりました。しかし、その資格認定基準等は各団体がそれぞれに定めたものであり、必ずしも標準化されたものではありませんでした。また、動物看護師は多くの動物病院に勤務し、飼い主や獣医師からもその役割が評価されてはいたものの、その待遇は必ずしも十分とは言えません。待遇改善や社会に広く認知される職業であるためには、動物看護師の役割が社会で広く認識されることが必須です。

 

 このような背景で本機構は設立されました。先ず第一段階として、動物看護師が学ぶべきコアカリキュラムを決定し、これに基づいた教育を各大学、専門学校で実施して頂くことに致しました。このカリキュラムの中には、動物看護師として最低限必要な獣医学、動物看護学に関する知識、技術を学ぶための科目が含まれております。従来のカリキュラムに比べて教育時間数、単位数は増加しておりますが、学生諸君は是非しっかりと学んで欲しいと思います。

 

 このカリキュラムを修了した学生は、動物看護師認定のための試験を受ける必要があり、それに合格した者を認定する仕組みです。試験問題数は決して多くありませんが、この教育カリキュラムを修了している、ということが大きな前提の試験です。

 

 今後、本機構としては各大学・専門学校における教育の質を担保するための活動をさらに進め、動物看護師の質を社会にアピールすべく活動を進めて参ります。あわせて、動物看護師の社会における役割を、現状でもっとも多い小動物臨床分野だけでなく、産業動物臨床、公衆衛生・家畜衛生など多くの分野に拡大することも、動物看護師の社会的認知の浸透ならびにその待遇改善には必要と考えられます。これらの目標に向かってさまざまな活動を進めて参りますが、そのためには多くの方々のご協力が必要です。是非、今後とも本機構の活動にご理解とご支援をお願い致します。

 

 

                                                     2015年4月1日       

                                                     動物看護師統一認定機構   
                                                     機構長 佐々木 伸雄